第7回目となる今回のインタビューは、平成29年6月20日、株式会社パソナ 執行役員営業HCM(ヒューマン・キャピタル・マネジメント)室長 兼営業総本部 ダイバーシティ担当 兼クラシニティ部 部長としてご活躍されている矢野 美紀子さんにお話を伺いました。矢野さんは、営業職として新卒で株式会社パソナにご入社され、現在は営業部門の人員配置や評価を担当されるなど、その活躍の幅を広げていらっしゃいます。また、小学校1年生と3歳のお子様を持つママさんでいらっしゃいます。
女性活躍推進チーム

まずは、経歴を含めて自己紹介をお願いします。

矢野さん
はい。弊社は、「社会の問題点を解決する」を企業理念に掲げ、昭和51年に創業し、昨年、40周年を迎えました。代表取締役グループ代表である南部靖之の「育児を終えて、もう一度働きたいと願う家庭の主婦にOL時代の能力や技術を活かすことのできる適切な仕事の場をつくりたい」、すなわち、女性の社会進出を応援したいとの思いが創業理念となっており、年齢・男女など関係なく人材登用してきたのがスタート地点であることは他社との大きな違いかと思います。私たち、パソナグループの社員は、「働く」を中心に、「人を活かすこと」をミッションとし、「誰もが自由に好きな仕事を選択し、一人ひとりの人生設計に合わせた働き方ができる社会を築く」、「年齢・性別を問わず、一人ひとりが夢と誇りを持って活躍できる機会を創造し続ける」ことを目指しています。ですから、「社員が働く全ての方々のロールモデルになれるよう、多様な働き方を実践していく」いう考えが強いと感じます。事業内容は、人材派遣、人材紹介、再就職支援、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)、HR(ヒューマン・リソース)コンサル、海外HR等となっています。
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女性活躍推進チーム

パソナにおける女性活躍の状況はいかがでしょうか。

矢野さん

弊社は、約3000名の従業員が在籍し、女性58%、男性42%という構成比率となっており、御社に比べ、圧倒的に女性社員が多い状況です。更に、全管理職のうち女性管理職比率は49%と高く、女性社員にとっては良きロールモデルが身近におり、管理職になるのが当たり前という環境になっています。女性役員比率は全役員の26.1%です。
女性の育児休業取得者は年間100名以上にのぼり、復職率は100%です。近年は、男性の育児参加と女性の活躍促進を目的に、男性の育児休業利用を促進しており、取得期間は1週間から1年間と様々ですが、利用実績は徐々に伸びています。また今年10月からは、育児・子育て・介護・自己研鑽・心身のリフレッシュ・その他ライフイベント等、ライフスタイルに合わせた柔軟な休暇利用ができるよう新制度「Happy Holiday」を導入し、育児で休暇をとりやすい環境整備にも取り組んでいます。

女性活躍推進チーム

具体的にはどのような取り組みをされたのですか?

矢野さん
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まず、主な取り組みとして挙げられるのが「特別勤務制度/ライフサポートコース」です。育児だけでなく、介護や自分の健康などの理由から「地域限定」「時間短縮」を選択可能とする制度で、多様化するライフスタイルや社員ひとり一人のライフステージに柔軟に対応し、能力やキャリアを最大限に活かし、安心して働くことができるような制度です。例えば、育児に伴う「時間短縮」はもちろんのこと、希望勤務地の空き状況により、パートナーの転勤に併せて「地域限定」で働くことが可能で、平成27年現在で約700名が利用しています。
女性活躍推進チーム

共働き世帯の増加に伴い、女性だけでなく、男性の積極的な育児・介護への参加が求められる中、性別問わず活用できる有意義な制度ですね。

矢野さん

その他の取り組みとしては、平成22年より本社建物内に設置した事業所内保育所「パソナファミリー保育園」の開設が挙げられます。当初は、幼児を連れて通勤することへの抵抗感から園児はなかなか集まりませんでしたが(開園当事の園児は僅か2名でした)、口コミで徐々に評判が広がり、現在は、毎年度入園者定員が22名に達する人気の園となっています。私自身もこの保育園を利用していますが、オムツの準備や着替えの洗濯を園が代行してくれる等、荷物を極力少なくする配慮がされており、他の保育園よりも助かる部分が多いと感じています。何より、自治体の待機児童問題に振り回されることなく、自身の望むタイミングで復職できることが、社員にとって大きなメリットと言えます。また、当保育園はスポットでの利用も認められているため、「慣らし復職」(本格的な復職の前に短日数で出勤を認める制度)や復職面談の際に利用する等、活用場面が広がっています。日常的にお散歩に行く子供たちに手を振ったり、毎年恒例の運動会やハロウィンパレードなどでの社員と子供たちとの交流も癒しの時間になっております。

女性活躍推進チーム

子連れ通勤への印象が変わりました。皆さん自社の保育園を積極的に活用されている様子ですね。

矢野さん
休日に行われる研修や重要会議に参加する際は、育児サービス・介護サービスの利用料を全額会社が負担してくれる制度があり、ママ社員でも継続して勤務でき、スキルアップ、キャリアアップを目指せる仕組みを構築しています。また、「復職プログラム」では、各職場で産休前と復職直前に実施する面談に加え、2011年から産後5ヶ月目面談を導入しました。この面談では、人事部長自らがワークライフバランスへの考え方や家族のサポート状況等、個別の事情や希望をヒアリングしています。この面談を通じて「フルタイム勤務が可能な勤務地に変更して欲しい」や「出産を機に新たな業務にチャレンジしたい」など本人の希望を踏まえた復職支援を行えるようになりました。他にも、復職して1年経過した社員を対象に、「IDOBATA会議」というランチ会を人事部主導で実施しています。ベテランママとの情報交換や今後のキャリアプランの共有を通じて、キャリアを構築する意識を醸成しています。
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女性活躍推進チーム

女性のスキルアップ、キャリアアップに対し、会議が戦略的に施策を講じ、支援していらっしゃるとことが素晴らしいと思います。

矢野さん

最近では、「ワンダーウーマン研修」という取り組みを始めました。当社の女性役員比率は26.1%ですが、全従業員の6割が女性であることを考えると、決して高い数値とは言えません。「管理職になりたい」と思う女性が少ない中、自信と誇りを持ってもらい、組織を牽引する女性リーダーを育成することが狙いで、女性管理職の中から、将来、上級管理職を目指して欲しい方々を選抜し、1年間、マネジメント力、プレゼンス力、ビジネススキル等を磨く研修を行います。現在3期目で、既に受講者より3名の役員が誕生しています。

女性活躍推進チーム

今年の5月に発表された日経WOMAN「2017年度版女性が活躍する会社BEST100」で第5位に入っていましたね。

矢野さん

そうですね、くるみん、えるぼしの最上位(3つ星)、経済産業省「ダイバーシティ経営起業100選」(平成27年)東洋経済「『女性部長』を積極登用する50社ランキング」で1位となる等、多様な働き方に関する表彰や認定を受けております。

女性活躍推進チーム

矢野さんご自身のキャリアや仕事と子育ての両立についてお話をお聞かせ下さい。

矢野さん

私は、平成9年に新卒でパソナに入社し、営業部の派遣部門に営業職として配属されました。チーム長として活き生き業務をこなす先輩の姿に憧れ、入社4年目で念願のチーム長に就任、営業成績トップのチームに与えられるMVPを2度受賞しました。多忙な日々で多い時は23名の部下を率いていましたが、チームメンバーの能力を引き出しながら、一丸となって目標達成を目指す組織を作り上げることに面白さを覚え、私の今までの会社人生で最も楽しかった時期です。入社8年目に結婚し、2年後、思いがけず、営業部部長兼執行役員就任のチャンスを頂きました。当時、そろそろ子供が欲しいと思っていましたが、夫の後押しもあり、チャレンジすることを決意し、32歳で執行役員に就任し、自分の視野やネットワークを広げる貴重な経験をしました。入社13年目に第一子を妊娠・出産したため、執行役員から社員に戻り、1年間の育児休暇を取得しました。休暇取得中、社長より、復職後も営業職として復職する女性を増やす施策を検討するミッションを課せられ、復職と同時にIT環境の整備、担当得意先を外資系に絞り、国内得意先のような急きょ対応の可能性を物理的に排除する等の工夫を凝らし、ママ営業社員だけで構成される通称「キャリアママチーム」を立ち上げ、チーム長に就任しました。この施策が見事に的中し、営業成績がトップ5に入る優秀なチームに成長しました。女性の営業職復帰が定着し始めたことから、昨年、発展的にチームを解散しました。チーム発足から解散までの4年半の間に、私は第二子を出産し、10ヶ月間の育児休業後に復職、その後昨年9月に執行役員に復帰しました。現在は、営業HCM室という営業部門の人事室の室長、およびフィリピン人ハウスキーパーサービスのクラシニティ部の部長、およびお客様のダイバーシティ推進に関連するコンサルティング営業のサービスも担当しております。

女性活躍推進チーム

再度、執行役員へ復帰された時のお気持ちはいかがでしたか?

矢野さん
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復職して約1年で執行役員復帰のお話をいただいたので、「下駄を履かせてもらったのではないか」と、正直、周りの優秀な社員に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。しかし、あるセミナーの講師に「下駄ではなく、シンデレラのように、選ばれし者しか履けないガラスの靴だと思いなさい」そして「その靴を輝かせる努力をしなさい」と言われ、「せっかく頂いたチャンスを活かす努力をすれば良い」と前向きに考えるようになりました。
女性活躍推進チーム

執行役員に就任された時、同僚からの反応はいかがでしたか?

矢野さん

私が就任する前にも女性の執行役員はいましたが、未婚の者や子供がいない者が多かったため、私のように、幼い子の子育てをしながらでも執行役員になれることが分かり、励みになったと言われました。新たなロールモデルになれたことを嬉しく思っています。

女性活躍推進チーム

最後に、今後の目標や将来実現したいことがあれば教えて下さい。

矢野さん

後輩たちが当グループで働いて良かったと思えるような労働環境づくりやモチベーション向上に繋がる施策を打ち出し、自分を成長させてくれた会社へ少しずつ恩返しができたらと思います。また、会社のミッションである「年齢・性別を問わず、一人ひとりが夢と誇りを持って活躍できる機会を創造し続ける」ことを社会に提言し続けたいと思います。

女性活躍推進チーム

本日は、貴重なお話をいただき、ありがとうございました。

インタビュー日 平成29年6月20日(火)
インタビュアー 労務部 井上 夕紀子
グループ経営統括部 塩田 珠紀
情報通信システム本部 志水 亮太

今後も、様々な方にインタビューを行って掲載していきますので、
お楽しみください。