第16回目となる今回のインタビューは、西関東営業本部 営業総括部 営業総括チームの清水亮一さんと同チームリーダーの竜崎大介さんをご紹介します。清水さんは、精神障がいの一つであるうつ病でありますが、病気と上手く付き合いながら就労されています。 ※うつ病とは、気分の落ち込みや、意欲の低下、不安感などの精神的な症状がみられます。その他に、身体のだるさや痛み、しびれなどの身体的な症状がみられる場合もあります。うつ病は、「人間関係」や「環境の変化」などの過度なストレスが原因で起こると考えられておりますが、昇進や妊娠などの一見喜ばしい出来事でも、著しい環境の変化に対応できず発症することもあります。近年、社会情勢の変化や経済活動の鈍化により、精神疾患の患者数は増加傾向にあると言われています。
ダイバーシティ推進チーム
現在の業務内容を教えてください。
清水さん
私は入社4年目で、営業事務を担当しています。営業担当から頼まれた書類の作成・回覧、保管・管理を行っています。また、会議の資料準備や営業車両の管理、営業関連の新聞記事を切り抜いて、概略をまとめたりしています。入社当時は、数字に苦手意識がありましたが、精算業務やエクセルの数値管理業務などで徐々に慣れて、自信がついてきました。少しずつ任されることが増えてきて、業務内容は多岐にわたりますが、より一層責任を持って仕事に取り組んでいます。
ダイバーシティ推進チーム
関電工に入社されたきっかけを教えてください。
清水さん
国立職業リハビリテーションセンターに在籍していた時に、会社説明会に参加したのですが、関電工の採用担当者の「関電工は戦後間もなく設立され、焼け野原であった東京を一から立て直した会社です。」という説明に感銘を受け、私も人々の生活に欠かせない電気というインフラを守りたいと感じたのがきっかけです。
ダイバーシティ推進チーム
ご自身の障がいの症状について差し支えのない範囲で教えてください。
清水さん
体調が悪化すると寝つきが悪くなるので、睡眠薬を使用しています。自律神経の働きが悪く、体温調節が上手く出来ないので、夏でも暖かい格好をして、なるべく身体を冷やさないようにしています。冷え性と似ているかもしれません。
休憩時間には、屋内でじっとしているよりも屋外に出て体を動かし、血液の循環を良くするように心掛けています。また、太陽の光を積極的に浴びることで、セロトニンが低下しないようにも注意しています。
※セロトニンとは・・・脳内の神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる働きをします。セロトニンが低下すると、攻撃性が高まったり、不安やうつ・パニック障がいなどの精神的な症状を引き起こすと言われています。
ダイバーシティ推進チーム
ご自身の障がいと上手に付き合えていますね。
清水さん
関電工に入社する前に寛解(完治とは言えないが、病気の症状や徴候が一時的に軽くなり、症状がおさまっている状態のこと。)に至り、主治医に相談して、治療をやめたことがあります。しかし、半年後に症状が再発してしまい、身体がだるく、何をするにも力が湧かなくなってしまいました。それ以来、上手くうつ病と付き合っていくしかないと覚悟を決めました。
ダイバーシティ推進チーム
職場内のコミュニケーションはいかがですか。
清水さん
在宅勤務の導入で情報共有が少々難しくなりましたが、メールを主として、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。分からないことや疑問が生じた際には、口頭の時よりも、なるべく状況を詳細に伝えるように気を付けています。また、メールはチームリーダーも含めて、チーム全体で情報共有するようにしています。
ダイバーシティ推進チーム
清水さんと一緒に働く上で、配慮されていることがあれば教えてください。
竜崎チームリーダー
頻繁に面談を行い、積極的にコミュニケーションをとるようにしています。コミュニケーションは、とりすぎているくらいにとるよう意識しています。
清水さんは、かなり真面目な性格で根を詰めてしまう時があるので、適度な休憩をとってもらい、リフレッシュする時間を持てるようにしています。最近では、休憩の回数も減ってきており、幅広い業務を覚えてもらっています。入社当時と比べて、着実に成長していると感じています。
ダイバーシティ推進チーム
職場や会社に期待することがあれば教えてください。
清水さん
障がい者だからと言って、特別な扱いをする必要はありません。もし、配慮すべきことが具体的に分からない場合には、遠慮せずに本人にどのような配慮が必要かを直接聞いて欲しいと思います。
また、国立職業リハビリテーションセンターに在籍していた時、周囲にはエネルギーに満ち溢れた障がい者の方々がたくさんいらっしゃいました。たとえ障がいを持っていたとしても、一生懸命仕事に取り組んでいますので、ぜひご理解をいただきたいです。
ダイバーシティ推進チーム
今後の目標がありましたら教えてください。
清水さん
BIMとCIMを覚えたいと思っています。建設業界では、徐々に三次元モデルが主流になってきています。私の担当は、営業事務ではありますが、BIMとCIMを覚えて、知識の幅を広げ、お客様の要望に着実に応えられるようになりたいです。また、基本的なことですが、今後も健康管理には十分留意していきたいと思います。
※BIMとは・・・コンピューターに三次元の建物のデジタルモデルを作成し、原価や施工方法、管理情報などの様々なデータを追加し、設計・積算、施工、保守までの全工程において、これらの情報を活用することで、業務を効率化しようとするもの。
※CIMとは・・・建築分野で進められているBIMを土木工事においても導入しようとするもの。
インタビューを終えて
清水さんは、職場で積極的にコミュニケーションをとり、日々の体調管理を徹底されていました。また、ご自身の障がいについても上司や同僚に十分な説明をされて、周囲から理解を得ており、良好な職場関係を築かれていました。そして、明確な目標を持って、日々の業務にひたむきに取り組まれている姿が印象的でした。うつ病は、治癒するまでに時間がかかる病気ですが、規則正しい生活や投薬治療を継続することで症状を抑えられ、再発の可能性が低くなると言われています。本人の努力も必要ですが、家族や職場など周囲の理解が何よりも重要です。まずは、みんなが病気に対する正しい知識を持ち、障がいのある人もそうでない人も共に活き生きと働ける職場環境を構築していきたいと思います。



